株式会社ブリヂストン様は「最高の品質で社会に貢献」を不変の使命として掲げ、タイヤ事業やソリューション事業、スポーツ用品などの多種多様な事業を行っています。
今回は東京本社にて
デジタルソリューションAI・IoT企画開発部門 デジタルAI・IoT企画課長 岩﨑 悠志様
鉱山・産業・建設タイヤ・ソリューション推進部 ソリューション推進課長 戸田 隼人様
に取材させていただきました。
今回の取材させていただいた経緯
経済産業省が東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構と共同で選定している「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」に株式会社ブリヂストン様が「DX銘柄2023」として選定されていたからです。
今回はDXについてだけでなく、海外と日本の違い等のとても貴重なお話を聞くことが出来ました。
Q1.ブリヂストン様はどのようなDXを行っているのでしょうか?
→ブリヂストンでは、「より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に」をDXのテーマとしています。タイヤを創り売るまでだけでなく、お客様が使う段階までを含めた全てのバリューチェーンにおいて、デジタルを駆使することでお客様のニーズに応えています。さらに、CO2削減等にも貢献しています。
具体例としては、日本航空株式会社(以下、JAL)と共同で、タイヤ摩擦予測技術を活用し、航空機整備作業を効率化しています。航空機のタイヤは、過酷な環境の下で使用されるため、摩擦などによって航空機が数百回離着陸する毎に新しいタイヤに交換する必要があります。使用環境によって摩耗速度が異なるため、今までのタイヤ交換は突発的であり、交換時期が集中してしまったり、多くの在庫を確保しなければならなかったそうです。JALの航空機に関する知見・フライトデータとブリヂストンのタイヤに関する知見や独自に構築した摩耗予測ロジックを用いた「タイヤの摩耗予測技術」を掛け合わせることで、計画的なタイヤ交換が可能となりました。タイヤやホイールの在庫削減、航空機整備の効率化など、リソースや時間の有効活用に貢献しています。
※大阪国際空港(伊丹)を拠点にJALグループの地域路線を運航する株式会社ジェイエアの航空機が対象(2014年1月時点)
Q2.ブリヂストンのDXの理想図は何ですか?
→社員の一人ひとりがDXを自分事として進めることのできる環境作りをすることです。そのためにDX人材の育成を目的としたリスキリングを会社主体で行っています。これにより、社員全員がデジタル技術を活用して業務やビジネスの変革に取り組めるようになることを目指しています。
Q3.ブリヂストン様は日本だけでなく、海外にもグループ会社を持ちますが、皆さんから見た日本と海外の違いはありますか?
→海外の大学ではデータサイエンスや情報科学に関する学部があり、文理の壁がないため、データやデジタル技術を応用できる人材が限られていないように思います。現在、DX化の遅れが指摘されている日本において、文理関係なく、DX人材を育てることが大切であり、多くの人が、データやデジタル技術を使って解決できる課題を見つける力を持つことが価値を生み出すと思います。
さらに、DX人材にとって、恐れずチャレンジして失敗してから学び、次の手を考えることは大切だと考えていますが、海外の方がとりあえずやってみる、という精神は強いと感じます。
とはいえ、お客様の安全のために製品・サービスの品質は重要なので、ブリヂストンというブランドを守るためにも、企画をしっかり練るという日本の良さも生かしながら、海外のチャレンジ精神も参考にして、柔軟に活動していきたいですね。
Q4.日本が今後、DX化を進めていくうえで必要な事は何ですか?
→現状では高校や中学校では情報リテラシーやDXの教育をできる先生が多くないのが課題だと思っております。そこで、産学連携等を通して、実際にDXを行ってきた企業などからデジタルの仕組みや本質を伝えていくことが必要だと思います。
取材を終えて…
→今回、ブリヂストン様からお話を伺うことが出来て、自分たちの団体の目標がより明確になりました。私たちは普段、スマートフォン等のデジタルに触れる機会が多いですが、デジタルを使って分析し、問題を解決する力が不足しているように感じます。ブリヂストン様のお話を通して、日本のこれからのイノベーションにはDXが不可欠であり、そのためにデジタルへの理解が最重要だと再認識しました。今回の取材は私達の活動を通して、高校生にもっとDXについて知ってほしいという思いが強まるきっかけとなりました。
Bridgestone Innovation Galleryのご紹介
→今回取材させていただいた株式会社ブリヂストン様には東京の小平市にある「Bridgestone Innovation Gallery」という施設があります。ここでは、これまで数々のイノベーションを生んできたブリヂストンの歩みや未来に向けた活動等を紹介しています。入場無料でどなたでもお越しいただけるので皆さんも是非一度、「Bridgestone Innovation Gallery」へ訪れてみてはいかがでしょうか!
株式会社ブリヂストン様、ご協力ありがとうございました‼