日本交通株式会社では、「Japan Hospitality」を合言葉に首都圏、関西圏各地を中心に約9000台のタクシー・ハイヤーを運行している会社です。今回は、日本交通株式会社が取り入れているDXと取り入れたことによる利点についての取材をさせていただきました。
日本交通株式会社が現在取り入れている主なDX、IT化は、①アプリの導入、②キャッシュレス決済の導入、③ドライブレコーダーのクラウドへの自動保存化、④配車システムの導入、⑤広告動画の設置、⑥落とし物クラウドfindの導入の6つです。
①アプリの導入
タクシーが呼べるアプリを導入したことによって、スマートフォンで簡単にタクシーを呼ぶことができるようになった。今までは、電話、その場でタクシーをつかまえる、駅のタクシー乗り場にいくという方法でしかタクシーを呼ぶことができなかったが、スマートフォンで簡単に呼べるようになった。
②キャッシュレス決済の導入
現金以外の方法で払えるようになった。後部座席のタブレットにキャッシュレス決済を行えるような仕組みを入れた。
③ドライブレコーダーのクラウドへの自動保存化
車の内外をカメラで撮影しており、会社にリアルタイムで、映像が送られるため、何かトラブルがあった時などは、即座に知ることができる。今までは、ドライブレコーダーに入ってるSDカードにのみ映像の情報があったため、リアルタイムで見ることができなかったが、それができるようになった。
④配車システムの導入
顧客が電話でタクシーを呼んだ時に近くにあるタクシーを探し、指令を送るシステム。昔は、会社の人が「〇〇番のタクシー、~~までお願いします。」ということを運転手に口で伝える形だったため、便利になった。
⑤広告動画の設置
後部座席のタブレットで広告の動画を見れるようになった。昔は、広告がパンフレットであったが、よれてしまうことがあった。また、広告の内容をかえる時にいちいちパンフレットを取り出す必要があったが、今はその必要がなくなった。
⑥落とし物クラウドfindの導入
タクシーはたくさんのお忘れ物がある。今までは、顧客からの忘れ物をしたという連絡がきたら、①顧客から忘れ物の特徴を聞く、②該当する忘れ物をシステムから探し出し該当営業所に対応を依頼、③顧客にもう一度電話しその忘れものをどうするかを聞く、④郵送するか、その営業所まで取りに行ってもらうかを決めてもらう、⑤郵送の場合は、梱包し伝票を書き送る。というプロセスを行う必要があった。しかし、落とし物クラウドfindを導入後は、①忘れ物の写真をスマートフォンで撮る、②AIが自動で読みとる、③忘れ物をした人がLINE登録し、忘れ物したものを伝える、④AIが自動でその忘れものを探す。というようなプロセスに代わり、また顧客にとってもLINEで簡単に忘れ物を探すことができるため、大幅な効率化が期待される。
Q, DXを取り入れたことでどのような利点が得られましたか。
一番大きいところは、お客様の利便性が上がったことです。「利便性」もタクシーが持つ「付加価値」の一つだと考えます。接客品質をしっかりとやり、安全性も高め、そして利便性を高める事、これらが合わさってタクシーの「付加価値」が向上するし、それを成したいと考えています。
お客様は、タクシーを使う上で、「タクシーを呼ぶ」、「乗る」、「お金を払う」というプロセスを行います。このプロセスをスムーズに行えることができるようになれば、お客様の乗車体験が上がることになります。DXを取り入れたことによって、このプロセスがスムーズに行えるようになりました。
例えば、アプリ上でタクシーを呼び、行き先もアプリに入力でき、お金もアプリで自動に支払うことができます。
Q, DXを取り入れる際に大変だったことはありましたか。
タクシー業界は、比較的年齢層が高いため、端末の操作方法などを伝えるのが難しかったです。お客様がアプリを使うということは、乗務員さんは、タクシーの端末の方の使用方法をマスターする必要があるので。乗務員さんがその端末の使い方を覚えるようになるには、その教える人も理解しなければならないので会社の管理者も理解しなければなりません。その部分が大変でした。
取材を終えて
取材させていただきDXのことはもちろん日本交通株式会社さまの理念やこれからのタクシー業界のことなど様々なことを学ばせていただきました。DXの導入は、会社にとっても顧客にとっても非常に良い影響を与えるものだということが理解できました。
また、日本交通のDXを導入しているやり方を知ったことで、DXを推進していくことは、新たな会社の創出にもつながり、日本の経済発展にも貢献していくということに気づけました。
日本交通株式会社さま、取材させていただきましてありがとうございました!