アサヒグループホールディングスは、多様なブランドを世界で展開する大手飲料メーカーであり、ビールを中心にアルコール飲料、ソフトドリンク、食品などを手掛けています。
今回の取材させていただいた経緯
経済産業省が東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構と共同で選定している「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」にアサヒグループホールディングス様が「DX銘柄2021」として選定されていたからです。
Q1.DX導入において海外事業部と日本事業部の異なる点はありますか?
→日本、ヨーロッパ、東南アジア、オセアニアの各地域に地域統括会社が存在し、IT部門と関連部門が共にDX導入に取り組んでいるため、海外と日本で大きく異なる点は特にありません。
Q2.アサヒグループHDが取り組んでいるグローバルな戦略はありますか?
→DXをBXと位置付け、BXを進めている状況には主に以下の三つがあります。
プロセスイノベーション: 例)CO2排出量削減に向けた取り組みを加速するため、グローバルデータプラットフォームを構築し、アサヒグループホールディングスへの情報収集を効率化しています。
組織イノベーション: 例)具体的には、ITやデータから価値を生み出すために、各組織がデジタルやデータの活用について自ら設計や運用を行えるようにすることを目指しています。
ビジネスイノベーション: 例)店舗カメラでお客様の表情や動線を分析し、最適な商品やサービスを提案するシステムの開発や、ウェアラブルデバイスでお客様の体調や体温を測定し、健康状態に応じた飲料や食品をおすすめするアプリを開発しています。
Q3.アサヒグループホールディングスのDXの理想像は何ですか?
→アサヒグループにおけるDXはBX(ビジネス変革)であり、DXはビジネスを変えることを意味します。そのため、システムへの投資やDXへの投資の考え方が以下のBeforeからAfterに変わります。
具体的には以下の7つがあります。つまり、持続的変化が可能なビジネ環境への取り組みとなります。
Q4.DXを導入してどれくらい生産性が上がりましたか?
→人口減少により国内市場が縮小している中、これまでと同じ戦略では販売数や売り上げの維持が難しくなっています。そのため、目指すべき姿としては、これまでの経験や勘ではなく、情報を集約・可視化し、データに基づいて活動できるように取り組んでいます。また、これを個人の利用だけでなく、部署のメンバーと知識を共有することで促進しています。さらに、事務作業の面ではプラットフォームを改善し、生産性の向上に力を入れています。
Q5.DXを導入する際に大変だったことはありますか?
→様々な人とのコミュニケーションにおいては、必ずしも全員がDXを理解しているわけではない、という点です。AIによって仕事を奪われることへの不安を抱くネガティブな層や、何でもできるようになると過度な期待を持つポジティブな層が一定数います。そのため、コミュニケーションを強化し、適切な認識を伝えることが重要です。
取材を終えて…
今回、アサヒグループホールディングス様からお話を伺うことができ、自分たちの団体の目標がより明確になりました。アサヒグループホールディングス様のご意見や見解を通して、日本の将来におけるイノベーションにはDX(デジタルトランスフォーメーション)が不可欠であり、その実現にはデジタル技術への理解が最も重要であることを改めて再認識しました。
アサヒグループホールディングス様のお話は非常に具体的で、どのようにDXを進め、ビジネスの効率化や新しい価値の創造に取り組んでいるのかを詳細に知ることができました。例えば、CO2排出量の削減を目指してグローバルデータプラットフォームを構築し、情報収集の効率化を図
るなどの取り組みは、私たちにとって非常に参考になるものでした。
また、DXの導入が単なる技術の問題にとどまらず、組織全体の文化や意識の変革にも関わる重要な課題であることを理解しました。アサヒグループホールディングス様の経験から学んだことは、デジタル技術の導入だけでなく、それを活用するための組織体制や人材育成の重要性です。
今回の取材を通して、私たちの団体は高校生に対してもっとDXについて知ってもらいたいという思いが一層強まりました。私たちは、未来のリーダーとなる高校生たちがデジタル技術に対する理解を深め、日本のイノベーションを支える存在になってほしいと願っています。そのために、これからも積極的に情報発信を行い、デジタル技術の重要性とその活用方法について広く伝えていく決意を新たにしました。
アサヒグループホールディングス様との出会いは、私たちにとって非常に貴重な経験となり、今後の活動における大きな指針となりました。この機会を大切にし、学んだことを実践に移すことで、私たちの目標達成に向けて一歩一歩進んでいきたいと思います。
アサヒグループホールディングス様、ご協力ありがとうございました!